
葬儀には様々な形式があります。故人や家族の意思を尊重し、後悔しない最期を迎えましょう。そこで、形式や種類を理解することは重要です。宗教や葬儀スタイルによって、メリット・デメリットがあります。ここでは各葬儀の特徴を解説するので、理想の葬儀を見つけましょう。自身や家族の将来を真剣に考えている人は必見です。
葬儀の主な形式とは?
葬儀には主に4つの形式があります。宗教により大きく作法が異なるので、事前に理解が必要です。ここでは、仏式・神式・キリスト教式・無宗教式の4つを解説します。仏式
仏式は仏教の葬儀です。日本では9割が仏式で行うため、イメージしやすい形式でしょう。仏教の教えに基づき、故人が極楽浄土に旅立てるよう祈ります。僧侶の読経や参列者の焼香が特徴です。また、先祖代々の墓がある場合、菩提寺の僧侶に葬儀依頼します。読経や戒名などをお願いしましょう。そして、寺院との深い付き合いが無い場合、葬儀会社が全て手配するので安心です。また、仏教には複数の宗派があるので、僧侶・寺院の確認は必ず行いましょう。宗派によって、作法や念仏が異なるので重要なポイントです。
通夜・葬儀・告別式・火葬の流れは、多くの宗派に共通しています。しかし、前火葬を行う地域もあるため、あらかじめ確認しましょう。前火葬とは、火葬を行ったあとに通夜・葬儀・告別式を行う習慣です。近所から参列者が来る場合、地域の価値観は重んじる方が良いでしょう。
神式
神式は神道の葬儀です。葬儀は神葬祭と呼ばれることもあり、故人に家の守護神となってもらう意味があります。また、非日常の不幸を祓い、改めて日常が訪れることを祈る行為です。神道では死を穢れとする概念のため、儀式は神社で行いません。自宅を使用し、通夜祭・葬場祭を行います。通夜祭とは、仏式の通夜と同じ意味合いの儀式です。そして、葬場祭は仏式の葬儀・告別式にあたります。また、葬場祭に斎場を使用することも可能であり、その際は葬場祭の前に発柩祭が必要です。
発柩祭によって、故人を葬場祭へ送り出します。神式の作法として焼香はなく、数珠も使用しません。大きな特徴として、榊の枝を神前に捧げる玉串奉奠があります。故人の冥福を祈るため、焼香と同様に重要な作法です。
キリスト教式
キリスト教式はキリスト教の葬儀です。キリスト教には2つの宗派があり、カトリックとプロテスタントで価値観が異なります。儀式の流れには注意しましょう。2つの宗派に共通することは、死後に復活するという考え方です。また、病人やケガ人などに意識があるうちに、神父・牧師を呼び儀式を行います。終油の秘跡や聖餐式と呼ばれており、辛い容態から救うことが目的です。そして、カトリックでは神父が病人やケガ人からの懺悔を聞き、救いの手伝いを行います。
懺悔することで、臨終後は良い復活を果たせるとされており、重要な儀式です。その後、納棺・通夜・告別式・火葬・追悼ミサの流れで進みます。そして、プロテスタントでは、人が罪を背負っていることが前提の概念です。
聖餐式では牧師を呼び、神に全てをゆだね祈りを捧げます。プロテスタントの儀式は、遺族を慰め癒すことが目的です。カトリックと似た流れで葬儀は進み、聖書朗読・賛美歌の斉唱・献花などを行います。カトリック・プロテスタントと異なる点が多いので、キリスト教専門の葬儀会社に任せると安心です。
無宗教式
日本では無宗教者が多く、葬儀に宗教を取り入れない場合もあります。それらを無宗教式と呼び、内容や作法に制限がありません。故人の希望や好みを尊重し、お別れ会のような雰囲気を演出します。祭壇・装飾・音楽・ナレーションなど、自由に選べる形式です。また、宗教者による読経や焼香が無いため、参列者は黙とうや献花を行います。
一般葬・家族葬・直葬・一日葬・無宗教葬の違い
現代では様々なニーズに合わせ、多くの葬儀スタイルが提供されています。地域や家族構成など、優先順位を検討しプランを選べるでしょう。ここでは、各スタイルの特徴を解説しています。一般葬
親族以外に、友人・職場などの関係性も参列できる葬儀です。多くが仏式で、僧侶の読経や焼香が行われます。日本では多くの方が選ぶスタイルです。家族葬
故人の家族と、ごく親しい友人のみが参列する葬儀です。少人数・小規模ですが、一般葬と同じ流れになります。家族が参列者に気を使いすぎることがないため安心です。ゆっくり故人を偲ぶことができます。直葬
親族のみで行い、通夜・告別式を省略するスタイルです。納棺後、そのまま火葬に進みます。通夜・告別式に追われないため、親族だけでゆっくりお別れできることがメリットです。また、経済的な負担が少ないため、不安な気持ちを抑えられるでしょう。一日葬
通夜を省略し、1日で告別式・火葬を行うスタイルです。本来、通夜含め2日間がかかるため、喪主や遺族の負担が軽くなります。無宗教葬
宗教や習わしにこだわらず、自由な葬儀を1から作るスタイルです。故人を想いやり、温かく見送ることができます。生前から演出希望がある場合、終活で決めておくと良いでしょう。葬儀の各形式のメリット・デメリットまとめ
葬儀には様々な形式や種類がありますが、メリット・デメリットの理解は重要です。故人だけではなく、喪主・遺族が後悔しない葬儀にしましょう。ここでは、注意すべき点をまとめています。一般葬
一般葬は多くの方が参列できるので、故人を偲ぶには良いでしょう。また、親族が参列者に挨拶できることもメリットです。さらに、参列者が多いほど、香典による葬儀費用軽減が期待できます。しかし、多くの参列者対応や香典返しなどで、喪主・親族の精神的負担は大きくなるでしょう。葬儀会社を頼り、入念なスケジュールが必要です。
家族葬
親族と友人の小規模で行うため、各々連絡しやすいことがメリットです。また、精神的負担が少なく、ゆっくり故人と向き合えます。心を落ち着かせるために、良いスタイルでしょう。しかし、参列者が少ないため、その後の弔問客対応が必要です。故人のためにも、積極的に受け入れましょう。また、家族葬では香典がわずかになるため、費用のほとんどを負担します。どの様に支払うか、家族で必ず話し合いましょう。
直葬
通夜・告別式を行わないため、少ない費用で見送ることが可能です。また、親族のみが参列するので、精神的負担も軽く済みます。しかし、地域や家柄によって、伝統的な葬儀を重んじることもあるでしょう。トラブルを避けるために、親族・親戚には事前説明が必要です。また、通夜・告別式をすべきだったと後悔することもあります。直葬は、慎重な判断で決めましょう。
一日葬
1日で全てを終わらせるため、喪主や遺族は精神的負担が軽くなります。また、遠方からの参列者に対して宿泊手配が不要です。対応すべき手間が減るので、安心感があるでしょう。しかし、1日のみで済ませるからこそ、参列できない方も出てきます。故人と親しい関係性であれば、大きなショックを与えるでしょう。訃報の際は、ていねいな対応が必要です。
無宗教葬
無宗教葬は故人の意思を反映し、自由に作り上げられることがメリットです。最期まで個性や生き様を表現できるので、悲しい雰囲気になりすぎません。参列者全員で、感謝を伝える場になるでしょう。また、お布施や戒名などが発生しないため、費用も少なく済みます。しかし、自由に作れるからこそ、葬儀会社との打ち合わせが多くなりやすいです。
また、伝統や宗教を重んじる人には理解しがたいスタイルでもあります。無宗教葬が故人の意思であれば、充分に説明しましょう。そして、親族全員が納得したうえで、葬儀会社へ相談することが重要です。