
葬儀社を選ぶ際、家から近いからという理由だけで決めてしまう方は少なくありません。しかし、安易に葬儀社を決めてしまうと、対応に不満が出たり、希望の葬儀形式に対応できなかったりと、後悔につながる可能性があります。この記事では、失敗しない葬儀社の選び方と、注意すべきポイントをくわしく解説します。
葬儀社の選び方の基本ポイント
葬儀は、多くの人にとって一生に数回しか経験しない儀式です。よって、突然の訃報に対しては、限られた時間のなかで葬儀社を選ばなければなりません。信頼できる一社を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。口コミや評判を調べる
インターネット上には、葬儀社に関するレビューサイトや利用者の体験談が多く掲載されています。実際に葬儀を実施した人の声を確認することで、対応のていねいさや料金の明瞭さといった、表に見えにくい部分を把握できます。複数社で比較する
葬儀にかかる費用や内容は葬儀社ごとに異なるため、複数社から見積もりを取り寄せて比較することが重要です。見積書を確認するときは、プラン料金だけではなく、返礼品や飲食代、お布施など、追加で発生する可能性のある費用も含めて総額で把握しておくと安心です。
実施するサービスが最初からセットになっているプランを選ぶことで、追加費用のリスクを抑えられるでしょう。
自分に合った葬儀社の種類と希望の弔い方から選ぶコツ
葬儀は、突然発生するものです。自分たちの希望に合った葬儀を実施するには、あらかじめ調査して、葬儀に対する基本的な知識を獲得しておくことが重要です。葬儀業者の種類を知る
葬儀を実施する業者としては、農業協同組合や生活協同組合などの協同組合が提供する葬儀サービス、自社で葬儀を実施する専門の葬儀社、定額の葬儀プランを外部の葬儀社に委託する仲介業者型のサービスが代表的です。協同組合に加入している方であれば、まずはそこに相談するのが安心です。加入していない場合は、専門業者か委託型の業者を比較検討して決定しましょう。
葬儀専門業者
希望する弔い方に合わせて柔軟に対応できるのが特徴です。法事や法要、喪中はがきの手配といった細かいサポートも受けられるため、葬儀全体を一括して任せたい方には適しています。ただし、プランに含まれないオプションを追加すると、最終的な費用が当初よりも高くなる可能性があります。葬儀委託業者
葬儀に必要な基本的なサービスや物品があらかじめパッケージ化されているため、費用が明確で管理しやすいのが利点です。家族葬や一般葬といった形式別に内容が提示されており、葬儀の形がまだ決まっていない方にも安心です。ただし、湯灌や特殊な対応が必要な場合には対応できないケースもあるため、事前の確認が欠かせません。
葬儀形式で選択する
葬儀には、多くの人を招いて執り行う一般葬もあれば、家族や親しい人だけで静かに見送る家族葬、通夜を省略する一日葬、火葬のみを行う直葬といった形式もあります。希望する弔い方が決まっている場合は、対応可能な葬儀社かを事前にチェックしましょう。また、参列者の人数に見合った規模の葬儀社を選ぶことも大切です。自社会館をもち、スタッフ数の多い大手葬儀社であれば、大規模な葬儀もスムーズに対応可能です。さらに、特定の火葬場や斎場を利用したい場合には、その施設の予約が可能な葬儀社を選ぶ必要があります。
見積もりの透明性や葬祭ディレクター在籍の重要性
葬儀を執り行う際には、準備に追われたり、精神的・経済的な負担が大きくなったりするケースも少なくありません。後悔のない葬儀にするためには、見積もりの透明性と、葬祭ディレクターがいることなどを重視して決定する必要があります。見積もりの透明性
葬儀費用のトラブルは、料金体系のあいまいさから起こります。信頼できる葬儀社であれば、費用の項目ごとにていねいに説明し、書面で提示してくれます。また、追加料金が発生する可能性がある場合には、それを明確にしてくれるでしょう。希望するサービスがプラン内に入っていることが確認できれば、追加費用の不安なく、安心して依頼できます。
葬祭ディレクターがいるとさらに安心
葬祭ディレクターとは、厚生労働省認定の葬儀の専門家で、進行や段取りについての知識と経験を備えています。初めて喪主を務める方にとっては、葬儀の流れや手続きに不安を感じる場面も多く、すべての葬式形態についての知識があり、経験豊富な葬祭ディレクターがいると安心です。生前予約できること
生前予約とは、本人が元気なうちに葬儀の内容や予算を決めておく仕組みです。準備や参列者の把握を事前に進めておくことで、遺族の精神的・経済的負担が軽減されます。いざというときに慌てて葬儀社を決めると、内容に納得できなかったり、予算を大きく上回ったりするおそれがあるため、早めに対応してくれる葬儀社を探しておくと安心です。